2014年 03月 27日
ラブネバーダイ (日生劇場) |
もう二度と観ることが叶わないと思っていた市村ファントムが帰ってきた。
大好きな日生劇場に・・・。
このことが、どれだけ感慨深いものか・・・・。
たぶん、同じ思いの人が大勢客席にいらしたのだと思う。
年齢層が非常に高めの客席(笑)男性の姿もとても多い。
そして同じ思いを抱いていたからこそ。
あの客席の雰囲気、集中度、高揚感。
日生劇場の空間がすべてひとつになったような。
そんな観劇は、そうそうできるものではありません。
「舞台を観たー!」という充実感。
幸せな時間でした。
手前が今回の「ラブネバーダイ」のパンフレット。
後方にあるのが26年前の「オペラ座の怪人」初演のパンフレット。
「オペラ座の怪人」のその後のお話・・・。
あれから10年後を描いたのが、今回上演されている「ラブネバーダイ」。
その作品は・・・。 まるでこの2冊のパンフレットの大きさ、厚さのごとく(笑)。
すべてにおいて、続編は本編を上回ることはできなかった・・・。
それぐらい「オペラ座の怪人」は完成された作品であったわけです。
それでも、舞台そのものは素晴らしい出来栄えだった!!!
俳優の皆様には「よくやった!」と最高の賛辞を差し上げたい。
ネタばれしています。 たたみます・・・・・。
この4人がそろう週末公演はこの日だけ。
超プレミアチケットだったそうです@後から知った。
オーストラリア・メルボルン公演のDVDが出ています。
予習と思い友人から貸していただいて見て、いやぁ、驚いた!!!
あのオペラ座が・・・・あのオペラ座が・・・。
まるで三流昼メロ???のような作品になっていたからです(爆)。
あの事件から10年後・・・。
ラウルと結ばれたクリスティーヌ。
グスタフという10歳の息子もいる。
しかしラウルは落ちぶれ多額の借金を背負っていた。
その借金を返済するために、アメリカはカルフォルニアのコニーアイランドに呼ばれ唄うことになったクリスティーヌ。
招待したのはファントム。
そしてオペラ座からファントムを逃がし助けてきたのはマダム・ジリー母娘たちであった。
コニーアイランドのショー、ファンタズマで主役を務めているのはメグ・ジリー。
久しぶりの対面となるクリスティーヌとメグ・ジリー。
しかしファントムの登場で・・・・
彼が生きていたことに驚くクリスティーヌ、彼の心が自分に無いことを思い知らされるメグ・ジリー。
それぞれの思惑は悲劇に向かって突き進んでいく。
ファントム@市村さん。
冒頭から切なさ満開でご登場。
こちらも、グッときて、早くも涙腺決壊しそうになる。
ぜんぜん変わってない。あの当時と同じ・・・(そりゃ、だいぶ老けちゃったけれど)。
もう、その姿だけで胸がいっぱい。
歌はいいの。彼の個性。感情を伝えるという意味ではまったく問題なし。
そして、その演技はさらに繊細で・・・手の動きがきれいと思った最初の舞台俳優が市村さんで・・・
指先まで行き届いた演技は彼ならではのもの。
DVDを見たときに、ストーリー展開にも驚いたのですが、その舞台セットの凄さにも圧倒されて。
これがそのまま日生劇場に収まるのか?と思っていたのですが、大丈夫でした(笑)
ファントムが生きるファンタズマの世界。異形の楽園。
ここでロックナンバーになり、ファントム@市村さんはロックを歌うよ!!!
キモ恐ろしい?世界を、少年グスタフは美しいという・・・・。
そして類まれなきらめきを魅せる音楽の才能。
10歳という年齢・・・・。
そう、この子はファントムとクリスティーヌの間に生まれた子。
<えええええ????いったい、いつ○○○したのよーーーーーー!!!!!>と
ここで一気に私のテンションは下世話な世界に転落していってしまうのだが・・・・。
クリスを抱きしめることができなくて、わなわなと震えていた手は、今回、がっつりと抱き寄せ抱擁しキスしてる。
そしてクリスも、ファントムを愛し、愛し忘れられず・・・・。
とにかく、ふたりとも直球でラブなのである。
ファントムはあちこちから堂々と、がんがん出てくるし、クリスもファントムへの思いが止められない状態。
おーぃおぃ(笑)
そりゃ、ラウルもギャンブルと酒に逃げて落ちぶれても仕方ないよー的な感じ。
そして。1幕ラストが、まさかのマダム・ジリー、鏡から登場で、彼女の恨み節で幕になるという。
マダム・ジリーの迫力・・・・鳳さん、見事です。
1幕はとくに、ああこれは難曲だと思わずにはいられないような旋律の展開、不協和音の数々。
みなさん、よく消化して仕上げてきたと、唸らずにはいられない。
ことにグスタフ@松井くん・・・。天使のような透き通った声で、難しい曲を一番安定して聞かせてくれました。
最近の子役、恐るべし。
グスタフがファントムの息子であるという最大の秘密が、1幕中盤であっさり暴露されてしまうのですが
本当にそれは、あっけにとられるというか・・・。
クリスが初めて仮面を剥ぎ取って素顔を見た時の恐怖。
グスタフも悲鳴をあげて逃げていく。
愛するものからまずは拒否されてしまう異形の苦しみ。
ファントムの切なさが、胸に突き刺さる。
クリスティーヌ@濱田さん。
今までとまったく違う発声で、見事に歌いあげてきました。
この人は、本当に歌の申し子なんだ・・・。そう思わずにはいられなかった。
情感豊かに歌で、歌詞で感情を伝える。ただ歌がうまいだけではダメ。
グスタフへの母の顔、ダメな夫を支える妻の顔、そしてずっと心の深いところで愛していたファントムにみせる女の顔。
制作会見の時に若干不安だったのですが、最強のDIVAです。
でも・・・やっぱり彼女の魅力を100%引き出せる役ではないというか・・・。
キャラ違いかなという思いも拭えず・・・。
ラウル@田代くんは、まだまだ本編のラウルで観たいし。
落ちぶれたラウルという感じではないし、歌い上げるソロは無いのでちょっと(かなり)もったいない。
いつかはファントム演じてほしいなぁ・・・・。
2幕、こりゃすごい!!!と思ったのがメグ@笹本怜奈ちゃん。
可憐で初々しいバレリーナの卵だったメグが、欲望むき出しになる。
歌はもちろんのこと、なんて適役と思う出来栄えでした。
書きたいこと、書き足りないことがいっぱいで、どうにも収集がつかなくなってきた(笑)
とにかく・・・。
ストーリー展開、脚本はどう考えても素晴らしいと言えたものではなく・・・。
重厚で品格あったオペラ座が、騒々しいコニーアイランドになってしまい
天才音楽家が作り出したオペラの作品の数々が、水着ショーになってしまい
登場人物はみな10年の間に世間の垢にまみれて、どろどろになっており
わずか10歳のグスタフが大好きなママの死に取り乱すこともなく
いままで父と思っていたラウルが居るのに、あっさりファントムを父として受け入れる。
後半、とくに最後の15分ほどの駆け足展開。
クリスティーヌの死があんなかたちでやってくること。
うーん・・・・見事なまでに余韻を残した「オペラ座の怪人」だったのに。
「ラブネバーダイ」は現実的な問題を山積みに残したような終焉だった。
メグはどうなるの?
ファントム・グスタフ・ラウルの関係は?
それでも俳優様の熱演は本当に素晴らしく。
久しぶりに大劇場、大演目、大満足できるものでした。
不思議なもので。
じゃ、真反対のキャスティングならどうなるの???と気になって仕方がない。
そう思わせるのも、実は作品の魅力、作品力、アンドリューロイドウェバーという天才のマジックなのかもしれない。
わがままを言えば、市村さんと、もう一人は山口祐一郎さんのダブルで観てみたかった。
(しかし祐さんは、帝劇の怪人・・・・・)
体調不良で鹿賀さん休演、市村さんの代打登板が続いている。
観劇した日も、前日からのマチソワ登板で4公演目であったが、疲れもみせず絶好調に見受けられた。
非常に消耗するであろうこの舞台。
頑張って乗り切っていただきたい。
これ、絶対韓国で上演したらよいと思う(笑)
(遠からず上演される気がする)
気づけばチケットは完売。
プレミアチケットはあと手元に2枚。
夢の世界を、もう少し体験できそうです^^
by mikan-lime
| 2014-03-27 16:21
| 観劇メモ